フェデラーの名を冠したラケット

フェデラーが自分で使うために開発

ロジャー・フェデラーが開発に関わったラケットです。フェデラーは長らくプロスタッフを使ってきましたが、キャリア晩年になりパワーとスピードを増して台頭してきた若手選手に対抗していくためのラケットの開発をウイルソンと進めていました。ところが開発が完了する前にフェデラー自身の身体がツアー参加に持ち堪えることができなくなり引退を余儀なくされてしまい、結果的にツアーで自分が使うためのラケットが引退後に世に出てくる形になりました。

「Play it forward」このラケットを開発する時のフェデラーのキーワードだったそうです。ベースラインで打ち合うだけでなく、積極的に前に出ていくことを次世代のプレイヤーへのメッセージとしてラケットを通して伝えたかったようです。とするとネットプレーがしやすいラケットなのかなと期待が高まります。

買うの?買わないの?

フェデラーファンの私としては発売日当日に楽天で目ぼしいショップにも当たりをつけ、ポチる準備を整えていました。その時に使っていたのがプロスタッフv14で315gだったので、買うとしたら320gのRF 01 Proかなーと狙いを定めて。。とは言え、今までは同じプロスタッフのバージョンアップだったので躊躇いなく買っていたものの、さすがに全くのニューモデルを試打もせずに買うのもどうかなーと購入決定まで踏み切れずにしばらく逡巡していました。そしたらあっという間にRF 01 Proは売り切れてしまったのです😭

「あぁー 😫」と悔やんでも後の祭り。やはりフェデラー開発モデルの注目度は高かったようです。もう少し様子を見ろという言うことかなと思うことにして状況を見守ることにしました。そうするうちにいろんなところから試打動画が上がってきて一つひとつ興味深く見ていたのですが、「プロスタッフとは全く別モノ」という共通点以外では評価がかなり分かれていました。高評価のところもあれば酷評に近いようなところもあり。。要は万人向けのものではなく使う人によって合う合わないがハッキリしたラケットなんだと受け止めました。ここに至って買うのか買わないのか問題はますます迷走の度合いを深めていったのです。

それから数ヶ月経ったある日、たまたまテニススクールでRF 01を試打する機会がありました。あくまで私が普段使っているプロスタッフv14(320g)との比較になりますが、実際に打ってみて感じたのは振り抜きの良さと飛びの良さ。振り抜きの良さは動画などでも言っていた通りなのと、そもそも絶対重量が軽いので余計にそう感じたのかも知れません。飛びの良さについては、オーバーかなと思っていた打球が実は深めに入っていたとラリー相手から聞いて、へーとポジティブに驚きました。あとボレーもしやすかったです。ここは前述の期待通りでいい確認ができました。

となれば買うしかありません🤣今まで靄がかかっていたように悩んでいたのがスッキリと晴れ渡り、使っているプロスタッフとほぼ重量が変わらないRF 01 Pro(320g)がベストだと信じてすぐにポチりました。しかしこの判断が間違いだったと気づくのはもう少し後のこと。。

RF 01 Proを買ってみて。。

早速届いたRF 01 Proを開梱しました。

ボディがブラックとシルバーの二色で構成されているのはプロスタッフRF v13と同じですが、手元側のブラックがトップにかけてシルバーに変わっていくグラデーションになっているという意匠は全く異なります。またフェイスサイズが98インチとなり、フレーム形状もボックスからラウンドに変わっています。バンバーやグロメットがフレームとフラッシュサーフェス化され、空気抵抗を減らすことで振り抜きの良さに繋げているそうです。RF 01独自のデザインですね。更にRFロゴがあらゆるところに散りばめられていて、どこから見てもフェデラーモデルだなーと言うのがわかります。いくつあるかと数えてみたら、

エンドキャップ
スロート部外側
グリップ
ラケットヘッド裏側に2個

5個のRFロゴがありました。それに比べてウイルソンロゴはスロート部外側RFロゴの反対側に小さく1個だけ。

いやスゴいですねー。事情を知らなければパッと見どこのメーカーのラケットか分からないですよ、これは。特にエンドキャップがRFになっているのにはびっくりしました。ここまでフェデラー色を強く打ち出している背景には何があるんでしょうか。フェデラーの要求が強くウイルソンも配慮せざるを得ないのか、フェデラーの衰えない人気にあやかりたいウイルソンの思惑なのか、あるいはその両方がいいところで折り合ったのか。。 いずれにしてもフェデラーファンにとっては無視できないラケットです。

ちなみにRF 01にはPro、無印、Future、Future Liteと4つのモデルがあるのですが、外観デザインは全て共通でスペックのみが異なっています。スロート部内側にモデル名とスペックが小さく書いてあるのが外見上で見分けるポイントです。

Proを使ってみた結果。。

喜び勇んでガットを張り、使ってみました。そしたらなんと、お、重い。。

実はテニス肘が悪くなっていて、プロスタッフではごまかしごまかし使えてました。たった5gの違いだからそんなに変わらないだろうとProにしたのですが、痛くて振れない。。 バランスポイントがプロスタッフは310でProは315です。これもたった5mmだからと思っていたのですが、私の肘はその5gの重量増と5mmトップヘビーなバランスを許容できなかったようです😭ごく僅かの違いなのに。。 これはダメだとすぐにプロスタッフに戻しました。

さてこの後どうしようと思案しましたが、Proではなく無印のRF 01にするしかないのではと思い至りました🤣「前回試打したときは悪くなかったし、肘の事を考えると少しでも負担を減らした方がいいなー」と。とは言え買ったばかりのProをそのままにして買い替えるなんてさすがに無駄遣いが過ぎます。と、悩んでいたら救世主が現れました。息子が引き取ってくれると言うのです。なんて親孝行なんでしょう!

と言うわけで使用期間10分ほどのProにお別れを告げて、無印をポチることにしました。こないだの試打の印象そのままに最初からこっちにしておけばよかったと後悔しながら。。

そして無印RF 01を迎える

到着したRF 01です。前述の通り見た目はモデル名とスペックの記述部分以外は変わりません。細かく言うとグリップが本革からシンセティックに変わりますが、どうせオーバーグリップを巻くので特に影響ありません。改めてスペックを見ると、無印のバランスはProと変わりませんから単純に重量がマイナス20gになる感じです。先日の試打の際はプロスタッフv14と比べて振り抜きの良さが印象に残っていましたが、重量の軽減効果がトップヘビーになったことよりも大きかったのだと思います。ラケット重量とバランスの関係って大事ですね💦

RF 01との本格的なお付き合いはこれから

で、RF 01にガットを張っていざ、というところだったのですが、テニス肘の治療のためしばらくテニスを休むことになり、使用はしばらくお預けとなってしまいました。そして1ヶ月半ほどの静養の後に使い始めたのですがまだ全力でプレーすることもできず、更にフォームの改造に取り組んだこともあって十分にラケットに馴染めていません。ただ軽いことは間違いなく、身体への負担がだいぶ減っていることは実感しました。またボレーもいい感触でできています。ストロークはまだまだこれから打ち込む必要がありますが、改めてプロスタッフとの違いを感じています。プロスタッフは硬いとよく言われますが、RF 01はそのプロスタッフよりも更に硬い印象を受けます。この辺りがいろんな方のインプレッションで評価が分かれるポイントなのかも知れません。

RF 01にしようか迷っている方へ

フェデラーファンの方は非常に興味津々のラケットだと思いますが、万人向けではないと思います。発売当初は供給数も限られていたため試打できる機会は少なかったと思いますが、段々と数も増えてきているようですので是非試しに打ってみることをオススメします。私の周りでもプロスタッフの後継機種と思っていた方が結構いたのですが、全く違うモデルですので。

また無印とProで迷われている方もいらっしゃると思います。これもできる限り試打してみて判断された方がいいです。筋力に優れた方なら問題ないと思いますが、私のようにシニア世代だったり筋力に自信がない方は無印の方がいいと思います。「フェデラーが現役なら使っていたであろうモデル」を使いたい気持ちはよくわかるのですが、それで失敗した人間がここにいますので。。

この記事が少しでも迷われている方のお役に立てていれば幸いです。