使い勝手抜群のフリースジャケット

米軍規格の品質

米軍放出品のデッドストックのフリースジャケットです。アメリカ陸軍で開発されたECWCS(エクワックス)の一角を担うジャケットになります。ECWCSとはExtended Cold Weather Clothing System(拡張式寒冷地被服システム)の頭文字を取った略語で、ざっくり言うと寒冷地での作戦に向け重ね着していくことで気候に対応していくシステムのことであり、アウトドアウェアに着想を得たものです。1980年代に第1世代が開発され、現在市場に出回っているのは第3世代(Generation 3=Gen3)のものが多いです。またGen3ではLevel1から7まで分類が分けられ、その中のミドルレイヤーに当たるLevel3が今回のフリースジャケットになります。恐らくECWCSの中でLevel7と共に最もポピュラーなアイテムではないでしょうか。

素材はPOLARTEC

使われている素材はアメリカマサチューセッツ州で創業されたモールデン・ミルズ社がパタゴニアと共同で開発した世界初のフリース素材であるPOLARTEC(ポーラテック)です。何度かの経営危機を経て、モールデン・ミルズ社は同社の代表的製品であったポーラテックを新しい社名として生まれ変わり、現在ポーラテックはその性能の高さから数々のアウトドア衣料メーカーに採用され、同様にアメリカ軍やUS Postalなど官公需要に対する供給も担っています。

このLevel3に使われているのは、ポーラテックの中でも最高クラスの断熱性を持つThermal Pro(サーマルプロ)と呼ばれるもので、毛足が長く抜群に肌触りが良い素材です。

耐久性、機能性にも優れている

軍用の衣類ですから高い耐久性と機能性を持たせるデザインになっています。重装備のバッグを背負うことで負担のかかる肩部分と襟の外側部分、および日常生活で最も摩耗にさらされる肘の外側部分はポーラテックの上からナイロン生地で補強がされています。

また肩の可動性を上げるためにラグランスリーブになっていたり、ボディの両脇部分は伸縮性や通気性に優れたPower Dry Grid(パワードライグリッド)を採用しています。この両脇のパワードライグリッドは以前のパタゴニアのR2テクニカルフリースジャケットにも採り入れられていました。そういえばR2もポーラテックサーマルプロとパワードライグリッドを組み合わせたミドルレイヤーでしたねー。

高い耐久性と機能性を発揮する製品デザイン

軍モノ特有のディテール

カラーはFoliageと呼ばれるもので日本語では「葉っぱ」と言う意味になります。野戦時に風景に溶け込み目立たないための色ですね。また前胸部にはベルクロが配置され、部隊章などが簡単に脱着できるようになっています。

更に首元のタグを見るとサイズ(SMALL-REGULAR)と共に納入業社であるPeckham社の名前が見えます。Peckham社は30年以上の政府調達品製造の経験を持つアパレル製造メーカーで、Level3フリースジャケットを軍に納入している企業の一つです。またPeckham社の上にNSNが記載されています。NSNはNational Stock Numberの略で米国の連邦補給システムで調達される物品に対して割り当てられている管理番号となります。そしてISO Groupという軍のサプライチェーンパートナーのデータベースで検索すると、名称や色、サイズといったデータが表示されます。それが手元にある製品と一致すれば、それは本物であると確認することができます。こうした軍モノ特有のディテールに萌えるんですよねー😍

NSNを検索してみると…

このタグに記されている「8415-01-538-6739」を検索してみると、以下のようなデータが表示されました。

これを見ると品名(ECWCS GEN III)、色(FOLIAGE GREEN)、サイズ(SMALL REGULAR)が実際のものと一致していて、このジャケットが本物であると確認できました。今回は信頼できそうなお店で購入させてもらったので問題はないと思っていましたが、怪しいなーと思う時は下記サイトで確認してみてはいかがでしょうか。

https://www.iso-group.com/nsn-search/

また検索結果には単なるデータだけでなく、2025年2月1日にアップデートされたという情報サマリーも掲載されています。それによるとこのNSNは2006年3月29日に割り振られたようです。またこの番号の物品は過去5年以上調達がされておらず、直近の調達時期は2017年10月25日だったみたいです。そうわかると今回のものがどこかでデッドストックとして眠っていたのであろうと推測できます。製品の裏にあるこういうストーリーを知るのってワクワクしますねー。

いろんな付帯情報がわかります👍

ツヨシ

このジャケットは月間平均気温が−10℃から20℃の環境に対応するよう設計されたとも書かれてますね

サイズバリエーションが細やか

Level3だけでなく、ECWCSはサイズバリエーションが豊富です。通常のXS・S・M・L・XLに加えて、着丈の長さによってShort・Regular・Longが存在します。例えばMの中でもM-Short、M-Regular、M-Longの3種類のサイズを選択することができるわけです。命を預ける衣服ですから、より自分にフィットした動きやすいサイズを選べるに越したことはありません。またアメリカは多民族国家ですから様々な人種が存在して、その体型も様々です。手が長い人・短い人、脚が長い人・短い人、胸板の厚い人・薄い人、そんなバリエーションに富んだ体型の人それぞれにフィットするようサイズの選択肢を多く持たせているいるのだと思われます。

そのようにサイズバリエーションが多いのは良いのですが、じゃあ自分はどのサイズかというのが最初は非常にわかりづらいです。しかもアメリカサイズなので、普段自分が選んでいるサイズがそのまま当てはまる訳でもないですし。。 色んなサイズを試着して決められればいいのですが、ネットショッピングが当たり前の今ではそういう訳にもいきません。かと言ってリアル店舗に行ったところで、放出品という性格上全てのサイズが揃っていることは考えにくいです。

そんな時に頼りになるのはYouTubeです!多くのショップがサイズ比較の動画を上げてくれています。特に私が参考にさせてもらったのがこちらの動画です。

この動画に出てくるヨッシーさんが自分の体型と似ていたので非常に助かりました。結果としてヨッシーさんのショップで購入もさせていただきました。

https://hab.theshop.jp/items/6590986

選択したサイズは適切だったのか?

結論から言うと正解だったと思います。私は168cm・67kgですが、タグの説明で示したようにSmall-Regularを選択しました。実際に着てみるとこんな感じです。似た体型の方はサイズ選びの参考になさって下さい。

Tシャツの上から着用しています。タイト過ぎず、ルーズ過ぎず、ちょうど良い感じではないかと思います。裄丈もジャストです。後身頃の着丈はお尻が半分ちょい隠れるくらい。個人的にはShort丈でも良かったような気もします。

身幅はけっこう余裕がありますので少し厚めのものを下に着用してもいけそうです。

唯一うーんとなったのが首回りでした。ファスナーを上まで上げるとちょっとキツめの印象です。顎がネックに入ることはないです。ここを楽にしようとするとサイズをMに上げた方がいいのでしょうが、そうすると身幅や着丈が合わなくなってしまいそうです。流行りのビッグシルエット気味に着る感覚でいいのかもしれませんが、ちょっとその着こなし方は年齢的に無理がありそうです。私の首が短く太いので仕方ないです😭もうちょっと痩せればいいんでしょうね。。

と、首回りのタイトさはありますが、総合的に考えて私のサイズはSmall-RegularかSmall-Shortでいいのだと思います。まぁそれにしても軽くて着やすいです。これは今後ヘビロテになること間違いなしです。

デッドストックは入手が困難になりそう

もうかなり前から人気になっていましたが、今回ようやくデッドストック品を入手することができました。古着はまだ流通が豊富にありそうですが、デッドストックはこれからますます入手が難しくなりそうです。うまくマイサイズを見つけることができてラッキーでした。もし興味があるのであれば見つけた時に入手しておいた方がいいと思いますよー。

Foliageは画像や動画で見ていてもいい色だと感じましたが、実物はその印象を遥かに上回る質感を備えていました。大切に、でもガシガシと着こんでいきたいと思います。もし機会があれば次はCoyote(コヨーテ)を手に入れたいです。