オールデンの代表的モデル

二足目の990
こちらはオールデンの代表的なモデルでコードバン製です。オールデンと言うとこの型でこの色を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実は私にとって二代目の990になります。2013年にSan FransiscoのAlden Shopで購入しました。それに遡ること14年の1999年に初めての990を購入していたのですが、コードバンの扱いがよくわかっておらずアッパーにヒビ割れを生じさせてしまい、二代目を入手した次第です。前回と同じ轍を踏まないようにしっかりとお手入れをしているつもりです。
質実剛健な作り
木型はバリーラストで全体的にがっしりとした作りになっています。また外羽根式でコバの張り出しもしっかりあり、更には厚みのあるダブルソールで質実剛健なアメリカントラデショナルスタイルです。ご覧の通りシューレースはアンダーラップで通しています。ドレスシューズはシングルやパラレルで通すのが一般的だと思いますが、私は外羽根式の場合は緩めやすく締めやすいアンダーラップで通しています。着脱が楽なので。。


コードバンの魅力
この靴の大きな特徴は何といっても素材のコードバンです。農耕馬のお尻の皮から作るコードバンは農耕馬自体が少なくなっているため入手がどんどん難しくなっていて希少性が高くなっています。その貴重なコードバンの一枚皮から作られる990は非常に贅沢なモデルだと言えます。水分を嫌ったり扱いが難しい素材ですが、この独特な光沢が好きな人にとってはたまらないのです。またカーフなどと違って履き皺の入り方も独特で、この大きく入る履き皺がいい味を加えてくれます。鏡面磨きでビッカビカに光らせるのもカッコいいですが、私自身は鈍い光沢で履き皺によってムラが出るのが好きです。

入手するのはどんどん難しくなっていきそう
前述の通りコードバンは流通量が減少の一途を辿っています。農業の機械化が進み、馬を使うことが減ってきていますから仕方ないですよね。更に取り扱いが難しい素材で、手作業で製造できる量も限界があります。一方で日本では爆発的な人気があり、アメリカやヨーロッパでも人気は高まっています。需給バランスや原材料の高騰などから販売価格はどんどん上がってきています。今後下がる要因は考えられないので、更に入手が難しくなるだろうことを考えると「欲しい時が買い時」なのだと思います。コードバンは堅牢ですし、多少の傷はそれも味に変わっていきます。定期的なお手入れやリペアをしていくことで何十年も履き続けることができます。大きな初期投資ですがガシガシ履いて育てる喜びを味わえるのは何者にも変え難いものがあると思います。